早速ですが、数学のお話。
皆さまは60進法をご存知でしょうか?
我々が使っている数は、同じ位で10が揃うと次の位に繰り上がります。
しかし、60進法の世界では同じ位で60が揃うと次の位に繰り上がります。
これだけ聞くと、「ややこしい世界だな」と思うかもしれませんが、60進法には60進法の利点があるのです。
目次
循環小数をスッキリ表せる(ことがある)
10進法では無限に続いてしまう数をスッキリ表すことができます。
例えば、次の分数。
\frac{1}{3}=0.33333333333333333333 \cdots
無限に3がループする分数ですが、これを60進法に直した場合、次のようにスッキリ表せるのです。
\frac{1}{3}=0.[20] _{(60)}~~~~~~([~~]は1つの位のかたまりを表す)
かっこの中で書いた通り、20は「二・零」ではなく、「二十」です。小数第一位が「二十」ということです。
給与計算で使われている
さて、ここからが本題。
60進法の小数を10進法の小数に直す計算が、身近に使われている例を本日発見しました。
それは、給与計算。
正社員であれば残業代、アルバイトであれば給与全体で、60進小数→10進小数が使われています。
例を挙げてみましょう。
時給1000円の仕事をしていて、30分働いた場合の給料は?
\begin{align*} &~~~~~~0.[30]_{(60)}=0.5 時間 \\ \\ & \rightarrow 1000\times 0.5=500円 \\ \end{align*}
時給1000円の仕事をしていて、15分働いた場合の給料は?
\begin{align*} &~~~~~~0.[15]_{(60)}=0.25 時間 \\ \\ & \rightarrow 1000\times 0.25=250円 \\ \end{align*}
時給1200円の仕事をしていて、42分働いた場合の給料は?
\begin{align*} &~~~~~~0.[42]_{(60)}=0.7 時間 \\ \\ & \rightarrow 1200\times 0.7=840円 \\ \end{align*}
このように、時給換算するときには60進小数→10進小数の計算を自然と行っているのです。
数学って身近ですね。
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